釜石に根浜海岸というとても美しい浜があります。
波がよせると、ズザザン、ズザザン、という独特の音と共に身体の中に強力な振動を感じます。
 
その浜を望むように建つ宝来館には、津波にのまれようとしている人を助けにいき、自らも津波にのまれ、引き潮前間一髪で難を逃れた女将がいます。
その後宝来館は陸の孤島となるのですが、自衛隊が助けにくるまでの数日間、女将が陣頭指揮をとり避難してきた皆の命を繋ぎました。
 
その日、命からがら逃げたものの雪の降る山の中で凍死された方々、また瓦礫をのんで内臓破裂、苦しみながら亡くなっていかれた方々、水門を閉めにいって津波にのまれ最終的にボートに乗った状態で戻ってきた全身骨折血まみれの漁師さんの話。
 
昨日は宝来館で震災直後の様子を女将の口からお聞きしました。
純粋に生きようとしたから生きられた。
女将の話を聞くうちにこの意味がわかりました。
 
被災地に行きたいけれどこちらの気持ちを考えられ躊躇っている方がいると思います。
でもそう思ってくれている方はすでに心のある人だと思うから、是非来て仮設所とかで沢山お話をしてほしい。
私達にその想いは伝わります。
確かに落ち込んでいる人はいます。
でも来てくれなくなったら見捨てられたと思って私達はいじけてしまう。
モンゴルの人が薬として祖国の土を携帯し、病気になったらそれを飲むという話をされ、その気持ちがよくわかるとも言われていました。
この素晴らしい故郷を次の世代に繋ぎたいという思いですと仰っていました。
 
今年の海は何故か今までになくキラキラと光っているそうです。
まるで横山大観の絵の中に飛び込んでしまったかのような、毎日ときめかさせられっぱなしの雄大な岩手の大地。
必要なものは心奪われる覚悟、でしょうか;-)
 
これからシーズンです!
こちらでの滞在も終盤戦、ああ、この美しい景色、明日また目を覚ますのが待ち遠しい。
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